ライター 阿部真麩美
11月23日は勤労感謝の日で、国民の祝日。
「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」として、1948年に制定されました。
そう、勘の良い方はお気づきたど思いますが、戦後すぐという時期からもわかるようにGHQの意向が働いています。
元々この日は新嘗祭(にいなめさい)という、一説では飛鳥時代から行われていた宮中祭祀が行われていた日。
その年に収穫された新穀、特に稲を神に供え、天皇自らもこれを食す「共食(きょうしょく)」という神事で、戦前から「祭日(皇室が行う祭祀での休日)」でした。
GHQは国家神道の影響を減らすべく、「天皇陛下の神事」から「勤労者全員に感謝する」ための「祝日(戦後に定められた法律での休日)」に軌道修正したのでした。
さて、一昔前までは、猫が日本に来たのは飛鳥・奈良時代で、中国から大事な経典を輸入する際にネズミの害から守るために一緒に船に乗せたから、というのが通説でした。
今はそれ以前から居たことが明らかになっていますが、猫はネズミを捕ることで、人間社会の中で米や経典を守る働き手という地位を築きました。
平安時代には、天皇や姫君たちの愛情を受けるようになり、貴族の称号を授けられたり、専用の乳母をつけられるほど出世した猫もあらわれ、役割の幅が広がります。
変わったところでは、16世紀の文禄・慶長の役(朝鮮出兵)で、目の瞳孔の開き方で時間を知らせる時計の役目を果たした猫もいましたっけ。
現在では、老人ホームや施設などで行われるアニマルセラピーのスタッフ、猫カフェのキャスト、YouTubeでアイドル、宝くじ売り場の招き猫や駅長さんなど、仕事の内容も多岐にわたっています。
また、古い寺社に行くと、福を呼び寄せ魔を追い払う縁起の良い「守り猫(もりねこ)」という仕事をこなす猫も多くみられます。
では、一般家庭の飼い猫さんたちはどんな仕事をしているのでしょう。
よく聞くのは、朝ご飯をねだるふりをして起こしてくれる目覚まし時計猫ですね。
うちのデンちゃんの場合は、パトロールと荷物チェックが得意でした。
お客様が来ると、危険物を持ち込んでいないかを丁寧に調べ、不審な行動を取らないよう、高いところから監視するのが役目。
知らない人が来るとすぐに隠れる猫も多い中、デンちゃんのきっちりした仕事ぶりはお客様からも好評でした。
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— むぎきぬちゃんとアラレちゃん ミヌエット&短足マンチカン (@h_mugikinu) July 27, 2020
むぎきぬちゃんがニャルソックしているカリカリーナのキャットタワーはこちら
でも、猫が一番実力を発揮している仕事は、「無条件に愛されること」ではないでしょうか。
人は愛する時には、相手が人間であればどうしても愛以外のものも絡んでしまいます。
子供であれば良い学校に行って欲しいし、連れ合いであれば出世やハイレベルの家事を望むなど。
もちろんそれは愛情でもあるけれど、そこには見栄があったり見返りを期待する気持ちが無いとは言い切れませんから。
でも猫に対しては、それが無い。
部屋中引っかき回されても、性格に裏表があっても、爪を立てられても、粗相をされても、何があっても愛おしい。
そんなこと、人間相手にはなかなか経験できない感情です。
つまり、猫は無条件に愛されることで、人に「見返りを求めない愛」の心地よさを体験させてくれているように思えるのです。
今風に言えば、体験型愛情アトラクションのツアーキャストといったところでしょうか。
そんな重労働を担う猫さんですから、その勤労に対して感謝されるのは理にかなっていると思うのです。
ということで、11月23日を、ぜひニャン労感謝の日に。
ところで、お宅の猫さんの仕事ぶりはいかがですか。
うちのデンちゃんは、亡くなってから10年以上経った今でも、思い出すだけで幸せな気持ちを蘇らせてくれますよ。
最高に良い仕事をしてくれたと思っています。
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#16 下手でもいいニャン! 猫が描かれていれば、それは正義です。
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#11 猫たちの「忘れられない名前」と「思い出せない名前」。 名付けって奥深いもんだニャ〜