ライター 阿部真麩美
皇室の一般参賀が3年ぶりに再開され、約9000人の方が参加されました。
コロナ下の今年は事前申込みによる抽選で、倍率は10倍超だったとか。
まだまだ以前のように、とはいきませんが、行動制限が徐々に解除され、「日常」に少し近づけたことを感じさせる新年のニュースでした。
さて、昨年末に近江八幡へ旅行した際に、少し足を伸ばして京都仙洞御所(せんとうごしょ)に行ってきました。
宮内庁管轄の施設は事前申込み制で、応募者が多い時は抽選になります。
こちらもコロナになってからは人数制限が厳しくなり、以前の半分くらいの人しか見学を許可してもらえません。
そのせいか、当選するまでに2度も落選しています。
仙洞御所というのは皇位を引かれた天皇の御所の名称のことで、現在の上皇上皇后両陛下は赤坂御所を改修して正式な仙洞御所とされました。
京都仙洞御所は、江戸時代に御水尾上皇の御所として建てられたのですが、東京に仙洞御所ができたことで、頭に京都をつけ「京都仙洞御所」に名称変更し、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下が入洛された際の御宿舎として用いられています。
見学の仕方は、身分証明書の確認を終えた10数名ほどの見学者が揃ったら、宮内庁の方がツアーガイドのように1時間ほどかけて中を案内してくれるというシステム。
そして、さすがに宮内庁の施設だけあって一番後ろには警備員さんがつき従い、写真を撮るのに夢中になってグループから遅れたり、侵入禁止区域に足を踏み入れそうになる人にさりげなく注意を促して、御所の安全を確保しています。
そんな中、ガイドポイントではないのにツアー一行の足を止めたのが、御常御殿(おつねごてん)の壁際で優雅に毛づくろいをしている猫ちゃん。
聞いたらなんと、御所で飼っている猫ではなく、勝手に入り込んでくる野良猫なんだとか。
これはもう、「日本一やんごとなき野良ちゃん」に決定ではないですか!
「いつも居るわけではないので、今日来られた皆さんはラッキーですね」と言われたら居ても立ってもいられず、ほぼ全員がカメラを向けていました。
ボケボケの写真で申し訳ないのですが、皇族方の寝所だけに近寄るのはこれで精一杯。
警備員さんによると、餌はあげていないので(猫に限らず御所内では鳥にも餌やりは禁止、自然の状態を保つことを大切にしているそう)、どこかでお腹を満たしてから御所に戻ってのんびりするのが日課なんですって。
そうして過ごす猫さんは全部で3匹いて、お互いに縄張りを決めてかち合わないようにしているというのも驚きでした。
「ここにはいじめる人もいないし車も入って来ないし、掃除も行き届いているしで、安心してのんびりできるんでしょうね」といろいろ詳しく教えてくれた警備員さんも、きっと猫好きなのでしょう。
それにしても、人が勝手に進入できない場所に自由に出入りして、その上くつろぎスペースにするなんて、猫ってなんて自由なのでしょう。
そしてそれを許容する人たちがいるっていうのも、嬉しいですね。
ところで皆様のお宅の猫さんは、どんな所でくつろいでいますか。
予想では、カリカリーナの上ニャンですよね。
もちろん、飼い主さんの膝の上という可能性もありますが。
ということで、今年もよろしくお願いいたします。
毎日カリカリーナBasicの上でお昼寝している、ラガマフィンのレオ君
#40 心も身体もほっこり。今年も「猫との遭遇」に恵まれた一年でしたニャ。
#39 秋深し。猫と研究と日本人が交わると、楽しいことが起こりそうですニャ!
#38 多頭飼いの皆様へ。「もしも」の内容が多角化している現代だって、備えあれば憂いニャし。