ライター 阿部真麩美
最近、友人の弟さん夫婦が同居の息子さんも含めてコロナにかかりました。
そこは、7匹の猫がいる多頭飼いのお宅。
幸いなことに3人ともこれといった症状がなく、自宅での療養も問題なく終えられたとのことでした。
当初、友人は買い物代行などを申し出たものの、「ありがたいけれど、買い物に行かなくても当分暮らせるだけのストックがあるから大丈夫」と辞退されたそうです。
実は、弟さん夫婦は普段から地震や洪水などの災害があったら、大切な猫をどう守るべきか考えていました。
自分たちはもちろん、猫たちのご飯も当然ローリングストックで、しかも災害後に好みのキャットフードがすぐには入手できなくなる可能性も考え(キャットフードの工場が被災して、出荷できなくなるかもしれないからですって!)、1ヶ月分はキープしてあるとか。
7匹分ですから、かなりの量ですね。
災害時に家族3人で7匹の猫をどう守るかをシミュレーションしていたことが、コロナ禍でも役立ったというわけです。
ある調査によると、犬・猫飼育者の3人に1人が多頭飼いだとか。
私も実家にいた頃は、家族4人で猫2匹に犬1匹でしたし、猫好きの叔母のところは一番多い時で夫婦2人に猫5匹。
家族が多ければ猫を守る手も増えますが、逆に猫の方が多い場合は自分の身を守りつつ猫を保護するのは至難の技といえます。
地震であれば、ひっくり返った家具をかき分けて何匹もの猫をキャリーバッグに入れ、一緒に避難するなんてことは、難しいのが現実。
そう考えると、多頭飼いでは籠城に備えた対策は必須です。
とは言っても、災害によっては避難が必然になるケースも。
そこで、2匹入るタイプのキャリーバッグやベビーカーのようにキャスター付きのキャリーなどでの避難を想定しておく必要もありますね。
その際の注意点として、狭いところに2匹入れるので相性の良い子同士をペアにすること、2匹入れた時の重さをあらかじめ体感しておくことがスムーズな避難につながるそうです。
それと、私の実感としてキャリーバッグは開けたまま部屋に置き、隠れ家的に猫が出入りできるようにしておけばよかったと思っています。
実は、うちのデンちゃんはキャリーバッグに入れられる=病院に連れていかれるというイメージが出来上がってしまったため、バッグを出すと一目散に逃げ出すし、無理やり入れようとすると手足を突っ張って抵抗し、大変な思いをしたからです。
普段からバッグに出入りして慣れておけば、避難先でも安心できるスペースになってくれるのではないでしょうか。
最近は、洗濯ネットに入れてからキャリーに入れるという人も多いですよね。
洗濯ネットに入れるとなぜ猫が安心するのか、不思議でならないのですが。
そして、可能であれば、小型のカリカリーナ「スツール」もお持ちください。
ケージにも入るサイズなので、爪を研ぐだけでなく、もたれたり上に乗ってくつろぐこともできて、避難所でのストレス解消に役立ちます。
ちなみに、車にいつもスツールを積んでいる方、結構多いそうですよ。
これも「備えあれば憂いなし」の一つですね。
環境省では「人とペットの災害対策ガイドライン」を作成し、飼い主にどんな備えをしておくべきかをアドバイスしています。
災害のたびにペットの問題が浮上しているせいか、何を準備すればいいのか具体的に書いてあり、参考になります。
情報や対策も日々進化しているので、定期的なチェックは欠かせません。
集中豪雨や台風など、水害や土砂災害も頻発している時代。
それに加えてコロナ禍を経験した私たちは、改めて備えることの重要性を突きつけられている気がします。
その一方でペットへの配慮も広がっているので、想定外の憂いが起こったとしても、多少のことはなんとかなるニャン!のポジティブシンキングも忘れないようにしたいですね。
#37 「あなた色」ならワンランク上のおしゃれ空間がゲットできるんニャ!
#35 中身よりも外側が大切ってこと、人生にはよくあることにゃん!
#34 明治政府がどんなにケチでも、室礼には心を配る。それが日本の、ひいては猫好きの伝統ですニャ。