ライター 阿部真麩美
毎年秋になると、ノーベル賞の行方が話題になります。
今年は残念ながら日本は受賞に至りませんでしたが、21世紀に入ってからはかなり多くの日本人が賞を獲得していて、誇らしさを感じます。
それからもうひとつ、イグノーベル賞の行方も楽しみです。
イグノーベル賞は、ノーベル賞の創設者「ノーベル」に、「下品な」とか「不名誉な」を意味する「ignoble」をかけた造語で、1991年にアメリカの科学雑誌が「人を笑わせ、そして考えさせる研究」を表彰するために始めたもの。
ノーベル賞のパロディーという位置付けでもあります。
このイグノーベル賞は日本人研究者と相性が良いらしく、16年連続で日本人が授与されているんですよ。
今年は千葉工業大学の松崎元教授らの研究グループの、「つまみを回すときの効率的な指の使い方」が賞を獲得しました。
また、イグノーベル賞は猫とも相性が良いらしく、これまでに生物学賞や物理学賞など、様々な分野で猫をテーマにした研究やエッセイが多数受賞しています。
ざっと拾い出してみると、
・1994年、猫の耳ダニを自分の耳に入れて観察した研究に
・2000年 猫がキーボードの上を歩くのを検出するソフトウエアの発明に
・2002年 猫と犬用の洗濯機の発明に
・2008年 イヌに寄生するノミは猫に寄生するノミより高く飛ぶことを発見したことに対して
・2014年 人間が猫を飼うことが精神的に危険かどうかを調査したことに関して
・2017年 猫は容器の形状に合わせて液体のように形を変えることについて
・2021年 人対猫のコミュニケーションでの、猫が発する種々の鳴き声やその他の様式の多様性を分析したことに対して
と、7件もありました。
個人的に共感したのは、2017年の猫が液体のように形状を変えるというもの。
この現象を経験したことがある方、多いと思います。
うちの場合は、実家の猫の茶太(チャタ)を預かった時のこと。
性格にやや問題のある愛猫のデンちゃんにいじめられて、茶太はわずか10数cmのうなぎの寝床のような家具の隙間に入り込んで、あまり出て来ませんでした。
いくら狭いところが好きでも、ほとんど身動きできないところに頭から入り、中で向きを変えて隙間から顔を出していた姿は、まさに液体としか思えない流動性。
そしてデンちゃんも、茶太がトイレに行っている間にすかさずその隙間を横取りし、戻って来たところを飛び出して驚かすという「猫は液体」技をやってのけたのです。
もしもあの頃イグノーベル賞を知っていたら、私なら「猫は誰にも教わらなくても、かなりの意地悪ができる」をテーマに研究をしていたことでしょう。
2021年の人対猫のコミュニケーションも、興味を惹かれる研究です。
ネコの「ニャー」という鳴き声にイントネーションの違いがあることを音響分析により明らかにし、人間がネコの鳴き声の違いからネコの意思を識別できる可能性を示唆したということですが、受賞者のスウェーデンのスザンヌ・シューツさんは、猫耳をつけて授賞式に参加したそうです。
なんだか、研究者本人にも興味を持ってしまいました。
残念ながら猫の研究は、すべての受賞者が外国人。
でもイグノーベル賞が日本人とも猫とも相性が良いことを考えると、「日本人と猫は相性が良い」という結論が導き出されるので、日本人が猫の研究でイグノーベル賞を与えられる日も遠くないと思われます。
そして、もしも猫さんが選ぶニャーベル賞があったなら、受賞するのはカリカリーナで間違いなし!ですニャ。
お客様の声より、カリカリーナLuceスツールセットで寛ぐ、ななちゃんとライト君
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