ライター阿部真麩美
5月に、カリカリーナ Torre e mezzo(トーレ エ メッゾ)が発売されました。遊んでくつろげるキャットタワーというコンセプトで、高いところに登れて爪とぎができて、窪みにスポッとハマれるという、猫さんの「大好き!」がギュギュッと詰まった製品です。
このコンセプトを見て、今は亡き愛猫デンちゃんとの流血事件を思い出しました。
それはデンちゃんがまだ小さい頃、眠っている私の顔の上にボスッと何かが落ちてきたところから始まります。
突然、顔面パンチを食らったような重みと鋭い痛み。
恐怖とか驚きより、何が起こったのかが理解できず、ただボ〜ッとするのみでしたが、少し落ち着くと明かりをつける余裕が生まれ、鏡を覗いて流血が判明しました。
同じ部屋にいるはずの猫がいないことから、犯人は明らかに。しかも逃げてるし。
寝ているときに飛びかかられるほど嫌われるようなこと、したっけ?と自問自答したけれど、翌朝原因がわかりました。
デンちゃんは夜中にカーテンでボルダリングにトライし、力尽きてすぐそばで寝ていた私の顔の上に墜落。
その際、うっかり爪を立てたまま着地してしまったのです。
厚手のカーテン生地に、ポツポツと小さな爪痕が一直線に上に向かい、途中で途切れていたところで、ああ、このあたりから落ちたんだ、ということが推測できました。
ひたいの三日月傷を見た同僚からは、「どこでやりあったの」「だから飲みすぎちゃダメって言ったじゃない」とからかわれ、人間は事実よりも普段の行いで判断する方を好む生き物なのだということを身をもって知りました。
猫は高いところが好きですが、これは野性時代の本能だそう。
平気でお腹を見せて眠れるほど危機意識が薄れてきても、高いところから獲物を探し、狭い場所で隠れた獲物をさぐりだす狩猟本能は残っているんですね。
私はデンちゃんが登れるような高いところ、用意していませんでした。
そういえば、ノラちゃんが、子猫を教育している現場を目撃したこともあります。
街路樹の根元で、デンちゃんのご飯を分けてあげたことのある顔見知りの猫がしきりに上を見上げていました。
目線の先には、不安げな子猫が2匹。手を伸ばしても届きそうもない高さです。
登ったのはいいけれど降りられなくなっているのがわかり、つい手を差し伸べようとした瞬間、母猫の「ニャッ!」という力強い抗議を受けました。
その瞬間、ああ、これは教育なんだと納得。
いつものご飯をねだるときの鳴き方とは、全く異なる威厳のある鳴き方で、「母は偉大だ」としみじみ感じたものです。
猫にとって高い所は、身を守る場所であり、敵がいないことから安心してくつろげる場所でもある。
そして、室内猫にとって特に重要なのが、登り降りが運動になるという健康面でのメリットです。
遊んでくつろげる高いところを確保してあげるのは、飼い主が猫にしてあげられることのひとつなんですね。
ただし、うっかり着地に失敗しても、くれぐれも顔の上に落ちてこない位置に設置することも忘れてはなりませんニャ。
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