ライター 阿部真麩美
東日本大震災から早10年。
今年はコロナ感染に配慮しながらの追悼式が、各地で催されました。
被災した方々のその後の暮らしなどもまじえて、復興の進まないもどかしさも紹介されました。
両親が東北出身の私も、呆然と画面を眺めることしかできなかったあの日を思い出し、改めて自然の恐ろしさを噛みしめています。
3.11は、災害時のペットがクローズアップされるきっかけにもなりましたね。
避難場所でのトラブルだけでなく、被災地に残されてしまったペットたちの悲哀も話題になりました。
その後わずかですが対策が進み、環境省からは「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」が出されています。
いざという時に備えて、しっかり読んでおきたいものです。
一般飼い主編(抜粋版)[PDF 12.2MB]
この10年、3月になると防災リュックの点検が恒例行事になりました。
自分のだけでなく、高齢で一人暮らしの母の分も含めて、水やパンの缶詰などを新しいものに交換しています。
先日、母のリュックを開けたら、可愛い猫柄の防災頭巾を発見しました。
昨今のコロナ対策で、マスクを手作りしている友人からのプレゼントだとか。
母が猫好きなので猫柄にしてくれたようで、無くさないようにリュックにしまったそうです。
母は、「昔は、こういうのを猫頭巾って言ったのよ」というので、疑いながら調べたところ、猫頭巾は江戸時代の火消しが被ったもの、とありました。
目の部分だけを開けて首まですっぽりと覆う形状で、水に浸してからかぶることで火の粉や熱風から身を守ったそうです。
なぜ猫頭巾というのかの由来はわかりませんでしたが、母の頭巾は猫柄なので、猫頭巾と呼んであげることにしました。
さて、防災リュックの中身ですが、前述のガイドラインに入れるべきもののアドバイスがあるので参考にしてください。
非常用のためだけに備蓄するのではなく、普段から食品や消耗品を少し多めに買っておき、使ったぶんだけ新しく買い足していく「ローリングストック法」が注目されていますが、これは家の中に居られるけれど買い物ができない、という状況への対応。
避難勧告が出された時に、急いで最低限の持ち出しをするためには防災リュックにある程度の量を詰めておくのがいいのではないでしょうか。
もちろん、リュックをローリングストックの備蓄場所にできるマメさがあるならそれが一番ですが、リュックへの出し入れってかなり面倒ですよね。
また、歩いて避難する場合のことを考えると、量の厳選は重要課題。
猫と一緒に避難するなら、防災リュックと猫のキャリーバッグの両方を持って歩かなければなりません。
足下の悪い中を尋常じゃない心持ちで、多くの人に混じって避難することを考えると、ガイドに「5日分のペットフードを」と書いてあっても、無理のない量に留めた方が無難。
できれば、実際にリュックとキャリーバッグを持って歩いてみると荷物の量の加減がわかります。
そしてもしもリュックに余裕があるのなら、カリカリーナの中で一番小さな カリカリーナ Legno (レーニョ)を入れてあげてください。
不自由な状況で不安とストレスの中にいる愛猫さんにとって、自分のニオイがついたカリカリーナを持っていけば、少しは気持ちが落ち着くかも知れません。
たくさんカリカリしても、研ぎカスが出にくいのも助かりますね。
カリカリーナ Legno (レーニョ)の長さは44.5cm、そして重さはわずか約460gです。
避難する事態に陥らないことを願いながら、年に1度は防災について考えておくことで自分や家族、そして猫さんたちの被害を少なくすることができると思います。
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#18 猫に「ニャンとかなるって」と言われると、「そうだよね〜」って気になるから不思議。
#17 もしも日本に猫年があったなら、年頭の挨拶はなんて言うのがふさわしいかニャ?
#16 下手でもいいニャン! 猫が描かれていれば、それは正義です。
#15 今年から11月23日は、 「ニャン労感謝の日」にしてはどうかニャ?