ライター 阿部真麩美
9月29日は招き猫の日。
「9(来る)29(福)」の語呂合わせで、人やお金を呼び込んで、福をもたしてくれる招き猫に年に一度、感謝をする日です。
招き猫の由来や全国に普及した理由は諸説あり、有名なところでは東京都世田谷区の豪徳寺で、白猫が寺の門前から手招きして彦根藩主の井伊直孝を雷から守ったことから「招福猫児」が誕生したという説。
また、江戸吉原の人気遊女を大蛇から守ったため、贔屓客から猫の人形を贈られたのがきっかけという説も。
巷に広まった理由としては、貧しさ故に手放した愛猫が老婆の夢枕に立ったことから猫の焼き物を浅草神社の山道で売ったところ、大評判になったという説があります。
他にも東京都新宿区の自性院説、京都府伏見区の伏見稲荷説などがあり、全てに共通するのが猫に助けられたことに感謝して「招き猫」が誕生したというストーリーです。
猫は自分勝手、冷たいなどと言われがちなせいか、こんなにも人に尽くしてくれる側面があることをもっとアピールしてもいいのではと思っていたところ、テレビを見ていたら、さらに新しい説に出会いました。
国際日本文化研究センターの稲賀繁美教授によると、開国により多くの外国人が来ることを予測した明治政府は、街道にいかがわしいもの(お話の内容からして、おそらく遊郭などのよう)がたくさんあると外国人に失礼だから、目にして欲しくないところをごまかすために、招き猫が発明されたとか。
単なる目くらましなのか、猫のお土産で気を引こうとしたのかは不明ですが、外国人をおもてなしするのに選ばれたのが「猫」というところが、猫派にとっては何よりの朗報じゃありませんか。
折しも来年のオリンピックパラリンピックでは、多くの外国のお客様をお迎えすることになります。
心配されるのは、連日の酷暑。大会組織委員会では日よけスペースや冷風機の設置、うちわの配布など様々な暑さ対策を実施する予定ですが、中には手荷物検査場には柵の代わりにアサガオを配置して、見た目の涼しさを誘うといった、首を傾げたくなるものもあります。
とりわけ不評だったのが、かぶる傘。雨も日差しも防げるし、両手が空いて便利とのことで開発されたようですが、確かに被りたくなるデザインではありませんでした。
そこで困った時の猫頼み、明治時代の先人に倣って、傘に猫耳をつけて「猫でおもてなし」 してはどうでしょう。
もしかしたら、「ダサい」から「可愛い」にチェンジするかもしれません。
何より、猫を愛する人なら国境を越えてきっと受け入れてくれるはず!って、やっぱり無理かニャ〜。
ライター 阿部 真麩美
#2 猫と俳句は相性抜群! 「猫」の生態から生まれた季語あれこれ
にゃんこはみんにゃ、幸せを招いてくれる招き猫?
カリカリーナでリラックスしてほしいにゃ?