ライター 阿部真麩美
今年も、私の大好きなイグノーベル賞の季節になりました。
この賞は、1991年にノーベル賞のパロディーとしてアメリカの科学雑誌が始めたもので、人をクスッと笑わせつつ考えさせる研究に贈られます。
第34回を迎える今回も、18年連続で日本は受賞を果たしました。
しかも、受賞理由が「ブタなどの動物にお尻から呼吸する能力があることを発見したことに対して」というキャッチーな内容。
東京医科歯科大学の岡部亮氏らの研究チームによると、例えばドジョウのような水棲生物はお尻で、正確に言えば腸の粘膜を通してガス交換を行う「腸呼吸」を行っているのだそう。
そこで、陸上の哺乳類でも「腸呼吸」ができるのではないかと想定し、腸に酸素を送り込む方法を開発してブタで試したところ、ブタの低酸素状態を改善することができたということです。
ブタがお尻で呼吸した、というと笑ってしまうのですが、人にも応用できるようになれば、呼吸不全を改善することにつながるという、大変有意義な研究です。
そしてもちろん猫も、今年の受賞研究の中にいました。
日本人の研究ではなく、猫の研究というわけでもなく、「ウシの背中に立っているネコの横で紙袋を爆発させ、ウシがいつどのように牛乳を出すのかの調査をしたことに対して」という理由で、アメリカの研究チームが生物学賞を受賞しました。
「それって猫必要?」という疑問は置いといて、研究参加者の中に猫が選ばれていることだけでも、「猫は科学と相性が良い」と言うのに十分な理由だと思います。
さて、ここからは猫さんのシモの話。
「お尻から呼吸」と聞くと、普通はどうしてもオナラを連想してしまいますよね。
これは、あくまでも私の普通なので、違っていたらごめんなさい。
そこで疑問に思うのが、猫はオナラをするのかということ。
答えは、もちろんイエス。
音のない「すかしっぺ」が多いので音で気づくことはほとんどなく、臭いはかなりキツくなります。
イグノーベル賞をきっかけに、今は亡き愛猫デンちゃんのオナラ事情を思い出してしまいました。
オナラかどうかを判定するには、手順があります。
まず、デンちゃんのそばに行ったらなんだか臭い、という時。
最初に疑うのは、お腹を下している可能性。
長毛種だったので、尻毛にゆるい便が付着しているかもしれないので、すぐに濡れタオルでお尻を拭いてあげないとなりません。
捕まえて尻尾を持ち上げ、お尻チェックをしながら、何を食べたかを思い出します。
普段は猫用ご飯しかあげていないのですが、盗み食いの可能性も考えながら、自分たちのメニューも思い返します。
お尻が無事だった時は、小さいウンチが毛にからまってないかのチェック。
からまっていたら、クシで梳きとります。
それもなかった時、初めてオナラを疑います。
オナラかどうかを確認するのに、これだけの手順を踏んでいたんだな〜と、なんだか感慨深い。
ただ気をつけたいのは、オナラは人間もするってこと。
江戸時代に、大店の御寮さん(お嬢様や奥様ですね)に付き添って、放屁などの過失の責めを負った屁負比丘尼(へおいびくに)のように、たまたま通りすがりの猫にオナラの罪をなすりつける人もいるかもしれませんからね。
いわば、屁負いニャンコ。
なので、猫のオナラは音がしないくらいでちょうど良い気がしています。
私は本当に経験がありませんが、もしも屁負いニャンコのお世話になった際には、どうぞ、こっそりご褒美をあげてください。
最後に、カリカリーナのお掃除の際の注意点を。
もしも臭いがキツかったら、ウンチがついているかもしれません。
簡単に取れそうなら、ダンボールの波々の中に押し込めないように、そっと取り除いて。
かなり汚していたら、下記を参考にしてくださいニャ。