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カリカリーナブログ

猫とおしゃべり

優雅とか華麗とか魅惑とか、画数の多い言葉って なんだか猫にあうんだニャ〜

ライター 阿部真麩美

 

先日、山種美術館の「特別展 犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―」に行ってきました。

俵屋宗達、伊藤若冲といった江戸時代の大家から、竹内栖鳳や奥村土牛など近代画壇の画家、現在活躍中の山口晃まで、犬と猫を題材とした名作が展示されていて、猫好き日本美術好きの私としては、絶対行きたい企画展でした。

 

もともと山種美術館は、大好きな美術館の一つ。

企画展示の切り口の面白さもありますが、混みすぎず空きすぎず程よい賑わいの中で鑑賞でき、理想的な「美術館で過ごす優雅な午後」を体感できる貴重な美術館なのです。

普段、優雅さのかけらもない、はっきり言ってガサツな生活をしているせいか、美術館に求めるものは作品だけでなく、そこで過ごすゆったりした時間も重要な要素。

また、職業柄もありますが、解説の文体のバランスもお気に入りです。

実は美術館の解説文は、美術館によって結構異なるんですよ。

専門的すぎて難しいもの、ウケるけれどちょっと砕けているものなど、その館の方針によるのでしょうが、比較すると面白いのです。

山種美術館の解説文は、品格がありながらも専門的になりすぎず程よい感じですし、画家本人や関係者のその当時の手記を紹介しているのも親切です。

今回の目玉作品、竹内栖鳳の「斑猫」制作時の、旅先の沼津で猫をもらい受けたエピソードも興味深いものでした。

 

竹内栖鳳「斑猫」

 

ただ、犬と猫がテーマだったことに加えて、行ったのが最終日だったせいか、会場はかなりの混みよう。

いつもはすんなり買えるチケットも、20人近く並んでいました。

また最近はインスタグラム対策なのでしょうか、撮影OKの作品が増えているのですが、今回は人が多すぎてせっかく撮った写真も、ややアングルに不満が残る結果に。

来館者もいつもは自分と似たような年配のご婦人方が多いのですが、若い人や学生カップルまでいて、デートスポットになっていたのも驚きでした。

やはり、猫人気はすごい!と思いましたが、近代の日本美術では犬の方が描かれることが多かったそう。

普段から猫ばかり意識しているせいか、これは知りませんでした。

 

番外編として、忘れてはならないのが美術館併設の「カフェ椿」の和菓子。

毎回、特別展の絵画にちなんだオリジナル和菓子が提供されています。

今でこそ、併設のカフェでテーマに合わせたお料理やお菓子を振る舞うのは珍しくはないのですが、こちらでは私が美術館通いを始めた15年以上前からそうしたメニューを出していました。

ゆったり美術鑑賞をして、カフェで絵にちなんだ和菓子を食べながらおしゃべりするのは、絵に描いたような「贅沢なひととき」ですよね。

絵を見てお茶とお菓子を味わうところまでがワンセットでの山種美術館での楽しみなのですが、この日はすべて売り切れ。

残念ながら、優雅なマダムごっこはできず終いでした。

 

マダムといえば、「長椅子に横たわるマダム」のモチーフは、優雅さの極み。

こちらでも、藤田嗣治の女性と4匹の猫を描いた「Y夫人の肖像」の前には、多くの来館者が立ち止まっていました。

古今東西、横たわる女性の絵は、衣服のあるなしに関わらず多くの画家が描いています。

美しい被写体がくつろいだポーズでリッチな空間にいるのですから、絵にして残しておきたくなるのでしょう。

カリカリーナに横たわる猫さんが妙に魅力的なのも、同じ理屈でしょうか。

いつか、カリカリーナに鎮座する猫が描かれた作品が、美術館に展示されるといいニャ〜と願っています。

 

Luceに大満足♡ アメリカンショートヘアのシャルドネ君

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